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2015-04

Acton Museum Depot Open day

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ロンドン地下鉄は、市内中心部コベントガーデンにある交通博物館が有名であるが、その分館となる「Museum Depot」が市西部アクトンActonにある。

Depotというその名の通り、アクトンにある地下鉄車庫の一角に、歴代のチューブ車両や路線バスを保存するための大きな屋根付きの車庫があり、車庫内はロンドン地下鉄マニアなら一度は見てみたいと思う、引退した車両などが所狭しと並んでいるのだ。

しかし、これほどの規模のものにもかかわらず、あまり有名ではないのは何故か。実はこのMuseum Depotは常時開館しておらず、年に数回開催されるガイドツアーか、このオープンデイだけしか開館していないのだ。住人であれば、年数回の開館日も週末に都合を付けて行けるが、海外在住者にとっては、これを目的として渡英するしかなく、見学は至難の業である。

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よくぞここまできれいに保存してあったな、という地表線R型車両。1949年から製造され、ディストリクト線などで活躍、1983年までに全車両が引退した。いくつかタイプがあり、後期に製造された車両はアルミ車体となった。展示されているのは、そのアルミ車体となった後期型である。

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これも非常に珍しい、オリジナルの姿を保った72型MarkⅠチューブ車両。内装から、ノーザン線で使用されて1997年頃に引退したタイプのようだ。車両のやりくりの関係上、遥かに古い59型よりも先に引退するなど、不遇の車両だったが、おかげでその当時の姿を保っている。木製の床は、古い時代を知るマニアにとっては涙ものだ。

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72型と姿かたちは似ているが、初代ビクトリア線専用車両で、世界初の完全自動運転を実現した67型チューブ車両。2011年の引退時に付けていた、惜別記念ヘッドマークを掲げている。

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私の今回の一番のお目当て、83型チューブ車両。ジュビリー線専用車両として、華々しくデビューを飾るも、何を血迷ったのか片開きドアを採用したことで、都心部で深刻な遅延の原因となる。ジュビリー線はその後、ストラットフォードへの延長が決まったが、新線区間にはホームドアを設置することになった。当初、83型を両開き式に大改造する予定だったが、改造に費やす予算と、全て新車に置き換えた時の差額が大差なかったため、83型はデビュー後わずか9年半で全車両が引退となり、他線への転属の話も立ち消えとなり、ほとんどの車両はスクラップ工場で鉄屑となった。写真の車両は、その生き残りの1両である。ロンドン地下鉄史上、最大の失敗作であろう。

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83型以降、ロンドン地下鉄では次世代の車両に多くの新機軸を盛り込み、デザインも従来車両とは異なる斬新なものとすることにしたが、その試作車両として誕生したのが86型チューブ車両だ。各車両で採用した機器はもちろん、デザインや色に至るまで異なるという、まさに試験的な車両であったが、ジュビリー線を主な運用区間として、一時は他の路線でも使用された。当時残っていた、廃止前のピカデリー線オルドウィッチ支線では、4両編成でシャトル運用を行いながら、乗客にアンケート調査を行っていたようだ。引退後、他の車両は解体されてしまったが、この展示されている1両だけが生き残った。後の92型チューブ車両に大きな影響を与え、ロンドン地下鉄に革命をもたらした車両として、その価値は高い。

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中欧への取材 その3

中欧への2週続けての取材であったが、すでにお知らせしたとおり、最初の週のメインはポーランドであった。そもそもポーランドを含む中欧の鉄道は、これまで写真もほとんど紹介されることがなく、あっても駅でのスナップ程度のものしかなかったため、今回レンタカーを使って列車の走行写真を撮影することになった。そもそも中欧まで来て、わざわざ郊外の聞いたこともないような村外れの農村地帯で沿線撮影をする物好きなんて、日本人ではまずほとんど居ないと思う。

中でも、今回の依頼を受けた中で最大の目的は、デビュー直後の新型車両ED250の、それも走行写真というものであった。

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幸いなことに、天候は曇り時々晴れで、列車が来るときにはきちんと晴れてくれた。この日、ED250は営業列車に加え、納入直後の試運転列車が2往復もやってきて、実に多くのカットを収めることができた。ベタな駅撮りも合わせ、所有するED250の写真コマ数では、世界でも指折りかも知れない(ちょっと誇大広告です?)。

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高速新線を離れ在来線へ。ベルリン市内の駅に停車中のベルリン・ワルシャワ・エクスプレスの写真は数あれど、ポーランド国内を走行する写真は、私は少なくとも日本のメディアではお目に掛かったことがない。

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ポーランドの国電、古めかしいEN57も、走行写真はなかなか見かけません。今回はワルシャワ郊外を訪れ、森林地帯の中を行くEN57を撮影いたしました。ワルシャワの都市部を行くものとは異なり、なかなか風情のある絵となりました。

鉄道ジャーナル2015年6月号

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鉄道ジャーナル2015年6月号が発売となりました。

今月号は、おそらく多くの皆様が興味・関心を持つであろう、「客車列車」をテーマにしています。日本ではほとんど姿を消してしまいましたが、ヨーロッパは数こそ減ったものの、まだまだ多くの機関車牽引による客車列車が残っております。

それでは今月のボツ写真から。(実は毎号、多くの候補写真の中から掲載写真を絞っています! 笑)

客車 (13)
オランダのインターシティ・ダイレクトですが、今は機関車がオランダ鉄道のコーポレートカラーである黄色と青になってしまい、この写真の色は過去の色になってしまいましたね…。

客車 (2)
世界遺産にも指定されている、レマン湖畔のブドウ畑を行くインターレギオ。


中欧への取材 その2

今回の中欧への取材であるが、メインはチェコであった。チェコ到着後、初日と二日目はレンタカーを使って沿線の撮影を敢行し、二日目のお昼頃からスロバキアへ向けて移動しながら、撮影を行った。あいにく、事前に調べていた撮影ポイントへのアクセスが、工事による運休で列車が運行されず、二日目の予定が狂ってしまったが、ヨーロッパではよくあることなので、仕方なく諦めた。

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順光方向への列車がなく、やや逆光気味なのが残念だが、チェコのレイルジェットも撮影してきた。オーストリアのと異なり、青を基調とした爽やかな外見は、また違った印象を与える。

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オーストリアからの中古車がかなり入ってきており、塗り替え前のロゴだけ変更した車両も多数見かけた。今はちょうど過渡期ということなのだろうが、趣味的には色とりどりで面白かった。

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撮影は概ね晴れであったが、とにかく気温が低く、4月なのに雪が舞うことがあった。雲の流れが速く、あっという間に暗くなったこともあった。

中欧への取材

先月末のポーランド取材に続き、先週はチェコ、スロバキア、ハンガリーそしてオーストリアまでを取材した。
今回も、レンタカーを使用しての沿線撮影を敢行した。それらの写真の一部は、近日中に発売される書籍にて使用される予定だ。詳細については、またここでお知らせする。

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ブルタヴァ川沿いを行く長大なコンテナ列車。

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快速列車がParduvice駅に到着。乗車ルポでは、特急列車のみならず快速列車の様子も取材した。

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新型車両が投入され、変化の著しい中欧地域の様子を今後紹介する予定。

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プロフィール

橋爪智之

Author:橋爪智之
Tomoyuki Hashizume
欧州鉄道フォトライター
1973年 東京都生まれ
チェコ共和国プラハ在住
日本旅行作家協会(JTWO)会員

ヨーロッパで高速列車が産声をあげるほんの少し前、1970年代後半から1980年代にかけての幼少期をイギリス・イタリアで過ごし、当時より欧州の列車名や機関車形式を覚える、かなり早熟な「TEE世代」。トラベルガイドや紀行文、鉄道車両専門書のみならず、鉄道模型など幅広い分野の執筆を行う。
2013年11月から、月刊誌「鉄道ジャーナル」で連載をスタート。2016年2月から、月刊誌「RM Models」にて海外鉄道情報コーナー「世界鉄道」の不定期連載がスタート、2017年1月から定期連載化。

主な執筆作品・寄稿先

>ダイヤモンド・ビッグ社
・世界の高速列車
・世界の高速列車Ⅱ
・トーマスクック時刻表(巻頭特集ページ)
・ヨーロッパ鉄道時刻表(2015年から)
・「地球の歩き方」 by Train 鉄道の旅シリーズ

>プレス・アイゼンバーン
・月刊とれいん

>悠書館
・鉄道の世界史

>日本地下鉄協会
・世界の地下鉄 151都市のメトロガイド

>朝日新聞出版
世界の車窓からDVDブック第2期
・33号イタリア編
・34号イギリス編

>東洋経済新報社
・週刊東洋経済
・東洋経済オンライン(海外の鉄道を中心に寄稿)

>交通新聞社新書
・030 ヨーロッパおもしろ鉄道文化

>鉄道ジャーナル社
・鉄道ジャーナル(2011年11月号、2012年1月号、4月号、2013年4月号)
・2014年1月号から「ロンドン発 欧州鉄道通信」を連載中。

>イカロス出版
・駅撮りで楽しむヨーロッパの鉄道
・路面電車EX07

>洋泉社
・洋泉社ムック 時刻表読本
・洋泉社ムック 夜行列車読本

>海外鉄道技術協力協会
・新幹線と世界の高速鉄道2014
・世界の鉄道(2015年版)

>マイナビ出版
・完全保存版! 新幹線まるわかりBOOK

>株式会社ネコ・パブリッシング
・RM Models(欧州型鉄道模型関連記事)
・2016年2月より海外鉄道情報不定期連載「世界鉄道」コーナーを一部担当、2017年1月から定期連載化決定に合わせ、準連載スタート。

ご意見やお問い合わせは、下記アドレスまでお願いいたします。
stazionecentrale@infoseek.jp

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